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「いい感じの色で」がAIに伝わらない理由と、すぐ使える色の言語化術

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「いい感じの青でお願い」と頼んだら、出てきたのは蛍光みたいな原色の青。「もう少し落ち着いた感じで」と言い直したら、今度は暗すぎてほとんど黒に近い紺。頭の中には確かに「ちょうど中間くらいの、落ち着いた青」があるのに、何度試しても出てこない——そんな経験、ありませんか?

AIへのデザイン依頼で、色だけがどうしてもイメージ通りにならない。実はこれ、あなたのセンスや使い方が悪いわけではありません。AIに「色の感覚」を伝えるには、ちょっとしたコツが必要なだけです。


「中間の色にして」がAIにいちばん伝わらない

「いい感じの色で」とお願いしても、出てくるのは原色すぎる青だったり、逆に暗すぎる紺だったり。頭の中にある「ちょうど中間」の落ち着いた色が、なぜか一度も出てこない——私自身、これを何度も繰り返してきました。

AIは、あいまいな表現が苦手です。「明るすぎず暗すぎない中間の色」というのは、人間同士なら何となく通じる言葉ですが、AIにとっては手がかりが少なすぎて、解釈がブレやすいのです。

実際、私も「中間の色にして」と頼んで完全に無視されたことが何度もあります。ふわっとした指示ほど、きれいにスルーされる感覚です。これはAIが意地悪をしているわけではなく、「中間」という言葉が何の基準から見た中間なのかをAIが判断できないから起きることです。

原色の青と真っ黒の中間なのか、空色と紺の中間なのか。人間には文脈で読み取れても、AIには文脈がありません。だから、「中間」「ちょうどいい」「いい感じ」といったふわっとした言葉ほど、AIには届かないのです。


「色だけは自分で決めるしかない」と諦めていた

「どうせAIなんて、プロンプト次第の運ゲーでしょ?」「たまたまうまくいっただけで、毎回イメージ通りに出すなんて無理なのでは」——そんな懐疑的な声も少なくありません。

正直に言います。私もずっと同じ壁にぶつかっていました。

Webサイトのヘッダー背景色を決めようとしたとき、「清潔感のある青系で」と頼んだら鮮やかすぎる青が出て、「もう少しやわらかく」と言ったら今度はグレーに近い青が出てきて。そのたびに「やっぱりAIって運ゲーだよな」と思っていました。

「どうせプロンプト次第で結果がバラバラなんだから、色だけは自分で決めるしかない」と半ば諦めていた時期もありました。でも、それは色の伝え方を知らなかっただけでした。伝え方を変えたら、あっさりイメージに近い色が出るようになったんです。


色を「言葉」に変える3つのステップ

「細かく指定したって、結局は光の加減や微妙な色味は人間が手で直すんだから、AIに頼む意味あるの?」という疑問の声もあります。確かに最後のひと押しは人の目が必要ですが、そこに至るまでの回数を減らせるかどうかが分かれ目です。

では、どうすればAIに色を正確に伝えられるのでしょうか。難しいことは何もありません。次の3つのステップを順番に試してみてください。

ステップ1:色相・明度・彩度の3つで分解する

「いい感じの青」を「色相・明度・彩度」の3軸に分解して伝えましょう。

  • 色相:何色か(青、水色、インディゴなど)
  • 明度:明るいか暗いか(明るめ・やや暗め・ダークなど)
  • 彩度:鮮やかかくすんでいるか(鮮やか・くすんだ・グレイッシュなど)

例えば「いい感じの青」ではなく、「やや暗め・低彩度・青系のグレイッシュブルー」と伝えるだけで、出力の精度がぐっと上がります。

ステップ2:参照イメージを言葉にして添える

「どんなシーンに近いか」を一言添えると、AIがイメージを補完してくれます。

  • 「デニムのような青」
  • 「晴れた日の海の浅いところのような水色」
  • 「美術館の壁のようなオフホワイト」

こういった具体的なモノや場面への例えは、AIがとても得意とするヒントです。身近な製品やブランドの色を引き合いに出すのも有効ですが、その場合はロゴそのものを描かせるのではなく、あくまで「その色味」の参考として伝えるのがコツです(ブランド名をそのまま指定すると、色ではなくロゴの形に引っ張られることがあります)。

ステップ3:HEXコードやRGB値を使う(上級編)

「もっと正確に伝えたい」という場合は、カラーコードを使いましょう。

例えば「#4A7FA5のような青系の色」と伝えると、AIはその色を基準にして近い色を提案したり、そのコードをそのまま使ったりしてくれます。HEXコードがわからなくても、Googleで「くすんだ青 カラーコード」と検索すれば参考になるコードがすぐ見つかります。

まとめると、この順番で試してみてください。

  1. まず「色相・明度・彩度」で3軸分解
  2. 具体的なモノや場面の例えを添える
  3. より正確に伝えたければHEXコードを参照として使う

これだけで、同じAIツールを使っていても出力の精度がまるで変わります。


もう一歩。色の「意味」を知ると、AIに”目的”で頼める

ここまでは「色を細かく言葉にする」方法でした。でも、もうひとつ知っておくと便利なことがあります。それは、**色そのものが持つ「印象」**です。

色には、見た人に与える印象(心理効果)があります。ざっくり言うと、こうです。

  • 寒色(青・緑・青紫):冷静・信頼・誠実・清潔感。気持ちを落ち着かせる
  • 暖色(赤・オレンジ・黄):活発・親しみ・温かみ・元気。気持ちを前向きにする

これを知っていると、色名がパッと出てこなくても、「目的」と「与えたい印象」でAIに頼めるようになります。

  • 「信頼感のある、誠実な印象にしたいので青系でお願いします」
  • 「親しみやすくて温かい雰囲気にしたいので暖色でまとめてください」

たとえば、士業や企業のサイトは青系で「誠実さ・安心感」を、カフェや子ども向けのデザインは暖色で「親しみ・楽しさ」を出すのが定番です。色の意味を方向性として伝えれば、細かい色選びはAIに任せられます。

ひとつコツを添えると、「暖色でまとめてください。青は使わないでください」と”使わない色”まで指定すると、AIが余計な色を混ぜるのを防げます。ふんわり頼むと寒色が紛れ込むことがあるので、この一言が効きます。

ちなみに最近のデザインは、かっちりした堅い色より、少し温かみのあるやわらかい色合いが好まれる傾向にあります。「信頼感は残しつつ、少しやわらかい青で」のように、印象を組み合わせて頼むのもおすすめです。

つまり、細かく狙いたいときは「色名」、ざっくり方向を任せたいときは「色の意味(印象)」。この2枚のカードを使い分けると、AIへの色の頼み方が一気にラクになります。


「最後は人の目が必要」でも、試行回数を減らせるかが勝負

「どんなに細かく指定したって、最終的には人の目で微調整するんだから、AIに頼む意味があるの?」という声もよくわかります。確かに、完成品の最後のひと押しは人間の感覚が必要です。それは否定しません。

でも、大事なのはそこに至るまでの試行回数を減らせるかどうかです。10回試してやっと出ていた色が、3回で近いものが出るようになれば、作業時間はぐっと縮みます。AIに色を正確に伝える技術は、「AIに全部任せる」ための技術ではなく、「人間が最後の判断をするための、無駄な往復を減らす」ための技術なんです。


今日から変わる、色の伝え方チートシート

この記事で紹介した方法を、実際のプロンプトに組み込むとこうなります。

Before(伝わりにくい例)

ちょうどいい感じの青でヘッダーを作って

After(伝わりやすい例)

ヘッダーの背景色は、やや暗め・低彩度のグレイッシュブルー(デニムの色に近いイメージ)でお願いします。#4A7FA5のような色味が理想です。

たったこれだけの違いで、AIが受け取れる情報量は何倍にも増えます。難しいデザイン知識は必要ありません。「何色か」「明るいか暗いか」「鮮やかかくすんでいるか」、この3つを意識するだけでいいんです。

今すぐプロンプトに取り入れられる内容ばかりなので、次にAIにデザインを頼むときに一度試してみてください。「あ、これだ」というイメージに近い色が出てきたときの感覚は、なかなか気持ちいいですよ。


まとめ:色を言語化する習慣が、AI活用の精度を上げる

この記事で伝えたかったことを整理します。

  • 「いい感じ」「中間の色」はAIに伝わらない。あいまいな言葉ほど無視されやすい
  • 色は「色相・明度・彩度」の3軸で分解して伝える
  • 具体的なモノや場面の例えを添えると精度が上がる
  • HEXコードを使えばさらに正確に伝えられる
  • AIに全部任せるのではなく「人間が最後に判断するための試行回数を減らす」のが目的

色の言語化は、一度覚えてしまえばずっと使えるスキルです。AIが当たり前になっていく時代に、こういった「伝え方の技術」を持っているかどうかが、使いこなせる人とそうでない人の差になっていきます。

「まず試してみた」人だけが、その差を実感できます。今日の次のデザイン作業から、ぜひ使ってみてください。


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